2.8練習会Reports

2月最初の練習会となりました。

この日は競技場使用不可。多目的広場でウォーミングアップを行い、その後移動して階段と坂を使ってトレーニングしました。

階段も坂もトレーニングには重要です。平地とはまた違った負荷をかけることができます。
傾斜がついていることでは坂も階段も共通していますが、接地面に違いがあります。
坂は傾斜に合わせた角度での接地になりますが、階段は平地と同じように平坦です。

坂では(特に上り坂では)、上体を前傾させて走る場面が多くなります。また、接地位置は重心の真下というよりやや前になります。そのため、スプリントにおける加速区間の動作様式に似ており、スタートから中間疾走に向かう局面の強化・改善につながりやすいといえます。また、坂の傾斜角度によってよりスタート寄りか中間疾走寄りの局面のトレーニングになるか分かれてくることになります。

階段は幅が狭いものが多いといえます。幅が広く、それなりの段数のある階段があるとすればそれは貴重です。幅が広ければストライドが出やすく、自然とスプリントに近づきます。しかしながら、比較的狭い階段でも走る以外にも様々な用途を見出すことができ、脚力強化に留まらず、神経支配の開発や接地時の反発のもらいかた、軸の形成など、技術面の向上が見込めます。階段があるだけで練習のバリエーションは一気に豊富になります。

この日は20名程度でトレーニングをしました。まずは階段で様々なトレーニングをしていくのですが、シンプルな動作の中にも個々によって違いが見受けられます。
両脚をそろえてジャンプしながら階段を上がっていく運動は階段トレーニングでは一般的かもしれませんが、この種目1つとっても選手の特徴や課題が現れてきます。接地瞬時に身体を固め、素早く弾んでいくもの。あるいは、少し接地時間を長くしながら弾んでいくもの。何を狙うか、何が課題かで目指すべき動作も変わってきます。このあたりは、トレーニングにおける「意識性の原則」であり「個別性の原則」と強く関連しているといえるかもしれません。

階段のあとは上り坂を使ってショートスプリントです。3種類の距離を用いて走っていきます。追い込むというより、走りの確認というイメージです。動きを崩すことなく、良いイメージで駆け上がっていく。程よい感じでした。

最後は下り坂を3本程度。当然ですが、下りはスピードが出ます(うまく走れれば)。負荷も高くなります。
本格的なシーズンインが徐々に近づいていることもあり、最後はスピード感をもってトレーニングを締めくくりました。
時期や環境にもよると思いますが、急な上り坂を走って鍛錬するところで終わらず、スピード感を体感して練習を終えることで、脳には速い動きが残った状態で次のトレーニング日を迎えることができます。なるべく良いイメージ・動きを次につなげていく。これも大事なことです。

次回は2週間後になります。